【高校3年生・110mハードル】第5腰椎分離症の終末期の痛みで半年以上満足に走れなかったのが痛みなく走れるように。

今回は腰椎分離症の終末期で半年以上腰が痛くて満足に走れなかった選手をご紹介します。同じように悩んでいる選手や親御さんの参考になればと思い、記事を書かせて頂きました。

選手情報

・高校3年生 男子陸上110mハードル選手

・半年前に第5腰椎分離症の終末期と診断された

・腰椎分離症は2度目

・走るたびに腰が痛くて全力で走ることができなくなった

・大学でも競技を続けたいけどこのままだと不安が大きい

2024年の5月に腰の痛みで近くの整形外科を受診すると「第5腰椎分離症の終末期」と診断。お医者さんからは痛みが無くなるまで安静に、と指示され安静にしていましたが数か月経っても痛みは変わりませんでした。その後、自分でストレッチやケアをしていましたが腰の痛みが改善することはありませんでした。

ご縁があり、2025年の1月、診断から8カ月経った頃に当店に来てくれました。

その時の症状は、

・1時間以上長く座っていると腰からお尻らへんが痛くなる

・長時間立っていると痛くなる

・全力で走るとピキッとした感じがして痛い

・走り終わるとすごく痛い

腰が痛い場所は赤丸の辺り。特に腰を反るときに痛みが強くなります。

大学でも競技を続けたいと言っていたので相当悩んでいるのが伝わってきました。

目次

姿勢や動きをチェック

次に姿勢と柔軟性のチェックをしました。

真っすぐ立った姿勢をチェック

こちらが選手の真っすぐ立った姿勢です。よく見るとお尻がプリッと上がっていて、腰が反っているのが分かると思います。いわゆる反り腰です。反り腰の姿勢だと骨盤が過剰に前傾するのでもも前の筋肉や股関節の前の筋肉は硬くなってしまいます。右側は正しい姿勢の写真です。

前屈と後屈チェック

前屈(前にかがむ)と後屈(後ろに反る)も確認しました。

ここで注目してもらいたいのは「股関節が曲がっていないこと」です。この選手の場合赤丸の股関節が曲がらず、その分上半身を前に倒して手を床に着こうとしています。正しい前屈は右写真です。選手に比べて股関節・腰が丸くなっているのが分かると思います。

続いて後屈のチェック

選手に聞くと「怖くて後ろに反れない」と言います。通常だと右写真のように腰・上半身が弓矢のようにアーチを描きながら後ろに反れますがそれができなくなります。

股関節の柔軟性チェック

次に股関節の柔軟性をチェックしました。分離症の場合股関節の柔軟性低下は痛みや再発につながるのでここも丁寧にチェックしていきます。

かかとをお尻につけながら股関節を後ろに引いてください、と指示している写真です。

これも通常の写真と比較するとこんな感じになります。

通常は股関節(赤丸)に対して膝(青丸)が後ろになります。しかし、この選手の場合もも前が硬すぎて後ろに引くことができません。仮に引くことができても腰が反ってきたりエラー動作が出ます。その為、もも前の柔軟性を高めることはすごく重要です。

下半身の筋力チェック

筋力もチェックしていきます。

スポーツ選手の場合走る、ジャンプ、切り返しなど「片足で踏ん張る力」が必要になります。陸上であればなおさら。その為、片足で動きにエラーが無いかを見ていきます。

右足を見ると「膝が内側に入る」のが分かると思います。実はこれが一番良くない動きなんです。

膝が内側に入る=お尻の筋肉(中殿筋、小殿筋)が弱い、という証拠です。お尻の筋肉は陸上のような片足立ちが連続するような競技ではすごく重要なんです。

体の状態をまとめると

先ほどの体の状態をまとめると、

☑反り腰により骨盤が過剰に前傾(前に倒れて)してもも前や股関節の前側の筋肉が硬くなっている

☑股関節・背骨周りの筋肉が硬くなり、前屈や後屈の動きが制限される

☑お尻の筋力低下により支える筋肉が無い状態

半年以上腰が痛くて走れない原因

最初に書いた選手の悩みはこちら。

・1時間以上長く座っていると腰からお尻らへんが痛くなる

・立っている時間が長いのも痛くなる

・全力で走るとピキッとした感じがして痛い

・走り終わるとすごく痛い

体をチェックしてなぜこのような痛みが出るのかが分かりました。

①腰椎の前弯(反り)が強くて腰に負担をかけている

腰椎分離症は腰椎の椎弓(ついきゅう)と言われる部分が折れる障害です。

折れてしまう理由は、

・腰を過剰に反る、ひねる動きが多い

・元々反り腰

・練習量が多い、強度が高い

このような理由があります。

さらに「終末期」はこの折れた骨がくっついていない状態です。つまり極端に腰骨が不安定な状態にあります。

その為、走っていると痛くなるのは【折れている部分に過剰な負担が加わるから】からです。この選手がやるべきことはただ単にストレッチをする、体幹を鍛える、ということではなく「腰椎の過剰な前弯(反り)が減るようなアプローチ」をする必要があります。

②腰を支える筋肉が無い

先程終末期だと腰骨が不安定な状態になり腰が痛くなるとお伝えしました。

もう一つ腰が痛くなる原因は、「腰を支える筋肉が無い」ということ。

腰椎の上の胸椎を見てみましょう

胸椎には「肋骨」がついていてこれが支えになっています。だから胸椎の分離症はあまり聞かないのです。支える骨があるから。さらにお腹の筋肉や肋骨に付着する筋肉が支えになり、骨+筋肉で高い安定性を得ています。

それに対して腰椎を見てみましょう。支える骨が無いのが分かると思います。

つまり、頼れるのは「腰周りの筋肉だけ」なんです。だから支える筋肉が無いと腰骨に対する負担が増えるのです。

特に鍛えたいのはお腹の奥に付着する「インナーマッスル」という筋肉。

インナーマッスルは腰椎をガッチリ安定させて不安定さを減少させます。

③体の正しい使い方が苦手

体の硬さがあると走るときに足が後ろに引けない分、腰を過剰に反った走りになったり、お尻の筋肉が弱い場合、内股気味のような走りになります。

このような体の使い方も腰の痛みへとつながります。

・正しく股関節が曲がる

・背骨の動きが滑らか

・片足でしっかりと立てる

このような「体の基礎的な動き」を徹底的に覚えていきます。

選手に指導したこと

以上のことが体を見て分かったので選手に指導したことは、

☑腸腰筋、大腿四頭筋のストレッチ

☑背骨を丸くして背筋の筋肉の硬さを緩める

☑腰周りを安定させるインナーマッスルトレーニング

☑中殿筋、小殿筋(お尻の筋肉)を鍛えるトレーニング

☑陸上の競技動作を考慮したトレーニング

エクササイズ動画はこちら↓↓

そしてこちらは実際の指導風景です↓↓

まずはこのような基礎的な体づくりを1か月間、週2回のペースで徹底的に行いました。

レース出場へ

2か月目からはほぼ痛みが無くなってきたので、痛みの再発予防+パフォーマンスを上げるトレーニングをやってきました。

きついメニューも多かったですが「復帰したい本人の気持ち」が強かったため頑張って乗り越えてくれました。

そして、痛みが減ってきてからはトレーニング強度をより上げて、ハードルの競技動作に近づけていきました。最後にはレースも出場できるようになりました。

2か月後には大学進学のため当店を卒業されました。治ってほんとに良かった!

【同じように悩む選手・親御さんへ】

分離症や腰の痛みには必ず原因があります。

原因を突き止めて解決するためのお手伝いを当店ではさせてもらっています。

もし分離症や腰の痛みでお悩みでしたらぜひ一度ご相談ください。現地でもオンラインでも相談に乗っています。

ご相談・ご予約はお電話、またはLINEにて、お気軽にどうぞ。

走りたい気持ちを諦めないでください。

【オンラインの対応はコチラ】

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この記事を書いた人

これまでスポーツトレーナーとしてスポーツ現場や整形外科、パーソナルジムなどで勤務し痛みのある方やケガをした選手を沢山担当させてもらいました。病院や整形外科など色々と試したが痛みが改善しない方に向けて、痛みの改善整体、再発させないアプローチを行います。

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